…についてです。
えっと、まず山火事について。湿度の高い日本の夏と違って、西部、特に内陸部の夏は、乾燥します。その結果、夏から秋にかけて、雷が原因の山火事が起こりやすくなります。ここで大事なのは山火事は西部の自然を形成する大切な現象のひとつだということです。自然発火に加え、白人種がアメリカ大陸に来る以前、アメリカ原住民は火を山に放って森林を焼き払い、草原にかえて、鹿やエルクなどに有利な生息地を創りだしていました。しかし、過去100年程、「山火事は悪い」というパラダイムに基づいて、火を消し続けてきました。しかし、この自然現象を人工的に止めることにより、さまざまな予期せぬ悪影響が起こってきました。特に、頻繁に山火事が起こるはずの南西部のPonderosa Pine Ecosystemでは深刻な社会問題になっていて、省庁と一般の人々、アカデミアを巻き込んで、議論が続いています。
Forest Serviceがあちこちに設置しているSmokey Bearは「山火事を防ごう!」と呼びかけていますが、これは過去の遺物です。近年、特に1988年のYellowstone Fireの後は、「山火事は自然の現象」という認識が米国の省庁と一般の人々に受け入れられ始めました。山火事を消すのをやめて、森林生態系を元の状態に戻そうというのが最近の動向です。Forest ServiceもSmokey Bearをよして、かわいいリスをマスコットに使いはじめました。リス曰く、「Fires are an important natural process. Be prepared.」。詳しくはAgee (1993)を参照にしてください。
で、樹木の耐火性についてですが、Flint (1925)が経験的な論文を書いています。彼によると、樹木の耐火性を決定する主な7要素は;
1.樹皮の厚さ
2.根の構造
3.樹皮の樹脂の含有量
4.葉の引火性
5.林分の構造
6.枝の構造
7.地衣類の有無
です。で、彼はこれらに基づいて北西部内陸の針葉樹の耐火性ランクを作りました。耐火性の高い方から並べると、
1.Western larch (Larix occidentalis)
2.Ponderosa Pine (Pinus ponderosa)
3.Rocky Mountain Douglas-fir (Pseudotsuga menziesii var. glauca)
4.Grand fir (Abies grandis)
5.Rocky Mountain lodgepole pine (Pinus contorta var. latifolia)
6.Western white pine (Pinus monticola)
7.Western redcedar (Thuja plicata)
8.Engelmann spruce (Picea engelmannii)
9.Mountain hemlock (Tsuga mertensiana)
10.Western hemlock (Tsuga heterophylla)
11.Subalpine fir (Abies lasiocarpa)
となるそうです。実験に基づいていないし、種の生息地が異なる場合、単純に比較できないので、科学的とは言えませんが、妥当な線いってると思います。
あんまり書くと嫌がられるので、そろそろやめます。
参考文献
Agee, J.K. 1993. Fire ecology of Pacific Northwest forests. Island Press, Covelo, CA, USA.
Flint, H.R. 1925. Fire resistance of northern Rocky Mountain conifers. US Forest Service Applied Forestry Note No. 61