この前の月曜日、1月20日はマーティン・ルーサー・キング牧師の誕生日で祝日でしたねー。
この日になると、僕は毎年思い出す、というか自分に確認することがあるんだよね。それは「僕は何も知らないんだなー」ってこと。
ご存じの通り、キング牧師は、今から4、50年前に、アメリカの南部を中心に残っていた人種差別と立ち向かい、ノーベル平和賞までもらった偉大な人。
"I have a dream..."のスピーチがとても有名だよね。コメントするのもおこがましいけど、このスピーチを聞くたびに、その迫力に鳥肌が立って、胸が熱くなる。
でもね…
実を言うと、僕はアメリカに来るまでこのキング牧師のことをほとんど知らなかったんだよね。いや、人種差別と戦った人っていうくらいの認識はあったかな。でも彼が活躍したのがいつ頃で、それがアメリカでどれくらいインパクトがあったかってのはまったく知らなかった。
いつだったかな、アメリカに来て、まだ語学学校にいた時の話だけど、ある授業でアメリカの歴史のドキュメンタリー番組を見たんだよね。そこで僕は初めてキング牧師の例のスピーチを聞いた(当時はまだ英語のリスニングに問題大で、それこそI have a dreamしか聞き取れなかった記憶が…苦笑)。
その時はじめてちゃんと知ったんだよね。たった40年前までアメリカには人種差別があったんだ〜って。正直驚いた。第二次世界大戦が終わって、GHQが日本を占領してた時も、本国では人種差別が公然と行われてたってことだからね。
ずーっと前から、アメリカは「自由と平等、そして正義の国」だってイメージがあったからさ。でも、つい最近まで、レストランやらトイレが、黒人と白人別々だったっていうんだからそのギャップは大きいわな。
…で、はじめに戻るけど、僕はこのキング牧師の祝日でいっつも考えるんだ。
アメリカに来てなかったら、キング牧師のことも、人種差別のこともちーっとも問題として考えなかっただろうな〜って。
別に僕なんかがそういう問題について考えたところでどうこうなるわけじゃない。でも、アメリカに来たことで、物事に対する「問題意識」というのが確実に高まったな〜ってこと。
今まで問題として見えなかったものが、見えてきた。
ともかく僕はな〜んも何も知らなかったんだよね。知らないわけだから、当然、問題なんか見えるわけない。だから、今まではアメリカの「自由と平等」っていうイメージに対して何も疑問に思わなかったんだよね。
「無知の知」とはよく言ったものだな〜。
僕なりの解釈では、人間は「自分は何も知らない」って本気で自覚した時点から、いろんなことが始まるってことになるかな。そうやって謙虚になることで、はじめて人を敬う気持ちや、読書なんかが始まって、「知る」という行為が本格化してくる。
ある意味、アメリカでの体験で一番良かったことの一つに、自分がいかに無知であるかってことを痛感させてくれたということ。この日記を書いてるのも、僕の問題意識が高まったっていう現れなんだと思うし。
そんなわけで、マーティン・ルーサー・キング・ デイが来ると、「僕は何も知らないんだぞ〜」と毎年確認して、自惚れそうになる自分を戒めるのでした。