クラスメイト

Written by : Masafumi Kokubo

日本でもアメリカでも大学になるとクラスという物が選択制になり、よってクラスメイトとの付き合いというものも高校までのそれとは全然違ってくる。しかし、MBAでは履修する科目がほぼフィックスされており、取る順番もだいたい決められている。というわけで、一緒に入学した人達とは自然とクラスで顔をあわせるようになり、1年も在籍すればほとんどの人の顔と名前が一致して来る。という訳で、クラスメイトとの付き合いも比較的濃厚になる。

本日、組織行動学の授業があった。このクラスはMBA学生だけでなく、MPA(Master of Pabulic Administration=MBAの公務員版)の学生も混ざっていた。基本的にMBAとMBAは数クラスしかかぶらず、従って始めてみる顔も多い。最初の授業の時自己紹介があり、MPAの学生はナースとか軍人とか色々いるもんだ、と感心させられた。

今日の授業に、1人のおじさんが軍服を着てきていた。彼はれっきとした合衆国陸軍の人。その彼がクラスの最後に立ち上がった。曰く、

“今日アメリカ陸海空軍、および沿岸警備隊は世界中で活躍している”

筆者は、「おいおい。そんな事言うために時間取ってんのか」的な態度で最初は聞いていた。彼は続けて、

“今日我々が世界で働けるのも友好国の協力のおかげである。今日は、そんな友好国から来た1人の学生に合衆国陸軍を代表して感謝の意を示したい”

といい、おもむろに1人のインド人学生を指した。実はそのインド人学生(といっても、これもまたおっさんだが)と筆者は同時期に入学したので、オリエンテーションなどで顔をあわせ知り合いではあった。軍人は続けて

“実は、彼はインドの軍隊から、我が合衆国に学びに来ている。その彼がこのたびジェネラル(=大将、軍の最高位)に任命された。私は合衆国陸軍を代表し、彼にメダルを贈るものである”

と彼に、メダル(=軍で功績のあった人に授与されるバッジ。いわゆる勲章)を恭しく渡したのであった。その時、クラスは大拍手に包まれた。筆者も当然の事ながら拍手を送った。心からの祝福であった。

筆者は、今までうちの大学に対し、それほどの帰属意識は抱いていなかった。しかし、この瞬間、「ああ、クラスメイトが出世した。俺もうれしいな」と思えるた。つまり、何だかんだいっても帰属意識を潜在的には持っていたのである。今までは、クラスメイトはアメリカでの知り合い、という感覚でしか見ていなかったが、これを堺に、同じ学校で学んだ仲間と写る様になった。

クラスが終わり、私は真っ先にインド人学生のところへ言った。そして、

"Sir, may I have an honor to say 'congratulation'?"

と握手を求めた。とても硬いグリップだった。


Last Update : 2003/05/23

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